相変わらずの夏日……。眠れない夜が続いていませんか?
「睡眠不足は夏の気象病」といわれますが、最近は9月になっても盛夏のように暑く、室内がムシムシして寝苦しさを感じさせます。
気象庁の予報によると、都内で夏日が終わるのは9月25日とか。睡眠不足は万病の素。いろいろ工夫して、自分にあった「寝不足」解消法を探してみましょう。
☘ 実は危ない!? 残暑の「寝不足」
最近、夜中に何度も目が覚めてしまう、すっきり起きられない、気力がわかない、けだるい、食欲がない……。これら夏バテの症状を引き起こすのは、暑さでぐっすり眠れていないからかもしれません。
この時季の寝不足が厄介なのは、疲労回復に不可欠な深い睡眠がとれていないのに、よく寝たつもりになっていること。そのため自分では気づかないうちに、日中の仕事や家事などのパフォーマンスを落としていることがあります。
寝不足の状態が続くとホルモンバランスや自律神経が乱れ、呼吸や発汗、血流の循環、体温調節、新陳代謝など、生命活動に大切なカラダの働きを乱し、思わぬ病気(例:肥満・糖尿病・高血圧など生活習慣病、心筋梗塞・脳梗塞・狭心症など血管由来の病気、うつ病、アルツハイマー型認知症等)を招く危険が高まります。
あなたの睡眠の質は大丈夫ですか? ぐっすり眠れているか下の問診票で確認してみましょう。たくさんチェックがついた人は、十分な睡眠がとれていない可能性があるので要注意!
★あなたの睡眠問診票(チェックしてみましょう)
□ 寝つきが悪く、1時間以上眠れない
□ 一方で意識を失ったように眠る
□ 汗をびっしょりかいて寝ている
□ 夜中に何度も目が覚める □ 朝起きたとき、カラダのだるさを感じる
□ 日中活動時に眠気や倦怠感がある
□ 平日眠れない分、休日に寝だめしている
□ 日常的にストレスを抱えている
□ 日常的に運動をしていない
□ 部屋が明るい状態や、雑音・騒音が多い環境で寝ている
☘ 快適に眠るためのコツは?
快適に眠るためのコツは、やはり「寝つきを良くする」ことに尽きます。寝つきを良くするための方法としては、①エアコンや扇風機を上手に活用する、②就寝2時間前からリラックスを心がける、③ジャージでなくパジャマを着て寝る、④寝る直前までスマートフォンの画面を眺めない――などの対策が挙げられます。
①エアコンや扇風機を上手に活用する
暑さで寝苦しくても、エアコンを極力つけないようにしている人もいますが、それだと寝不足だけでなく、熱中症になる恐れもあります。エアコンの温度を少し高め(28度前後)に設定し、除湿機能、送風機能も活用して眠りましょう。
ただし、エアコンの温度を低くし過ぎたり、冷風が直接皮膚にあたったまま寝るとカラダは冷え過ぎの状態になります。元来私たちのカラダは、睡眠時には基礎代謝を低下させ、ゆったりとカラダを休ませるように作られています。睡眠中の冷え過ぎを防ぐためには、眠った後で冷房が止まるようにタイマー設定して寝ましょう。
②就寝2時間前からリラックスを心がける
就寝前に居間で音楽を聴いてくつろいだり、軽いストレッチなどするのもいいでしょう。特にストレッチは血流を良くするので体温を下げ、眠りにつきやすくします。
また、入浴も寝る2時間前ぐらいがオススメです。ぬるま湯にゆったり浸かることで副交感神経が優位に働き、リラックスできて熟睡しやすくなります。
③ジャージでなくパジャマを着て寝る
最近はジャージやトレーニングウェアを着て寝る人も多いのでは? でも、それら衣類は睡眠用ではないので、吸汗性や寝返りの悪さなど、残暑の寝苦しさを助長する一因となります。吸水性や通気性のある生地を使った夏用パジャマを着て寝ましょう。
④寝る直前までスマートフォンの画面を眺めない
寝る直前まで、スマートフォンの画面を眺めている人はいませんか? テレビやパソコンなども含め、これら機器から発せられるブルーライトを夜に浴びると、睡眠導入の役割を果たしてくれるホルモン「メラトニン」の分泌が抑えられてしまい、体内時計が乱れてしまいます。就寝前は、スマホを控えるようにしましょう。
以上、寝つきを良くするための方法をいくつか紹介しましたが、いかがですか? ほかにも、さまざまなオススメ睡眠法がありますので、本やインターネットなどで調べて、自分に合う方法をあれこれ試してみましょう。
<石堂達也院長 紹介>
・薬師堂クリニック 院長/医学博士
・略歴~弘前大学医学部卒業、筑波大学大学院修了。東京都立駒込病院内科研究医、国立がんセンター中央病院、
東京女子医大東洋医学研究所を経て、薬師堂クリニックを開院。
・専門分野~消化器内科(特に胃がんの内視鏡診断)/内科一般/東洋医学(漢方薬、経路治療
・認定医~日本内科学会 認定内科医/日本消化器病学会 専門医/日本医師会 指定産業医